漆器椀
懐石の基本は一汁三菜。このうち主となるのは手前にある2つの椀。めし椀と汁椀です。茶懐石ではこの椀をペアで用いる事がよくあります。四つ椀(※四つ椀・応量器を参照)の汁と飯が対になった椀です。真塗り(黒)あるいは朱、又は木地を活かした塗り、いずれにしても単色が質素で良いものです。
家庭使いでもこれに習って飯碗と汁椀だけでも本物の漆器にしたいもの。汁と飯を対にしたもの、所謂「夫婦碗」です。 夫婦椀などは日本の食卓らしく、あまり語らぬ日本人の「絆」を感じさせますね。その絆は固く堅牢で永遠でありたい。だから本物の漆器なのです。
めし椀
【越前漆器】 ひさご椀 溜
【越前漆器】 ひさご椀 古代朱
【越前漆器】 地の子 飯椀(大) 溜
【越前漆器】 かんな目 飯椀 古代朱
汁椀
通常の汁椀は口径が10~12cmほど。
汁椀と飯椀には本来フタは付いていません。
吸物椀や飯器などには蓋があるようです。
いずれにせよ、
汁椀だけは木地の漆塗りを選びたいものですね。
汁椀 塗分 黒/あかね
夫婦椀
汁椀は冷めにくい様に口窄まり。飯碗はご飯が食べやすいように口の少し広い造作です。
【越前漆器】 夫婦椀 古代朱・溜内黒
【越前漆器】すえひろ夫婦椀 朱・黒
吸物椀
口径は10~12cmほど。
通常の汁椀タイプと、杯のような形で口広の富士型があります。
【越前漆器】 都形吸い物椀 色紙梅見返し絵付(みやこがたすいものわん) 漆黒
小吸物椀・箸洗い
口径は三寸~10cmていど。
本来は懐石の酒肴(八寸)の前に出す「ひと口吸物」用の小振りの汁椀。
通常の会席コースでは普通の吸物用に使うケースが多いです。
甘味(ぜんざいや葛切りなど)を入れる場合もあります。
玉子椀
3・5寸ほどの小さな吸物椀です。
煮物椀
懐石一汁三菜で板前が最も神経を配る料理「煮物椀」を盛る器です。
【越前漆器】春秋 富士型煮物椀
「河和田塗」【越前漆器】 利休煮物椀 洗朱
大椀と平椀
主に汁気のない「炊合せ」(別煮にした煮物を合わせる)を盛ります。平碗には掻敷をしいて、焼・揚ものを盛ることもあります。
大椀
雑煮椀
合鹿椀
合鹿椀(ごうろくわん)は、石川県の合鹿地方でつくられる漆器椀。
床置きで食事出来るように高台が高い。
祝椀・多用椀
祝椀
喰初椀
多用椀
四つ椀・応量器
四つ椀に応量器、この二種の器は一般人から遠い感じですけども、実は非常に家庭向きです。
漆器を揃える事に迷う人にはお薦めできる品物でしょう。
和食器には珍しく同型異幅が組みになっておりますので使い勝手がよく収納も楽。
四つ椀
四つ椀とは質素を旨とする茶懐石で使われる器です。四つの椀が一回りずつ異なる大きさなので入れ子で収納でき合理的。おそらく下記の応量器からの影響もあるかも知れません。
飯椀、汁椀として使う場合は残りを蓋にし、全部に料理を盛る場合は残りに菜を。
この四つ椀は欅の木地を出した塗りで、用途に適した素朴さです。
正式な懐石で使いたい。
応量器
応量器(おうりょうき)は禅宗の修行僧が使う器です。
持鉢とか自鉢とも呼びますので器としてはほぼ「鉢」なのですが、雑穀の粥など汁物が多い僧の食事から考えて、深めの鉢、つまり椀に近かろうと思います。
入れ子になっておりますので使いやすく、用途は広いです。いろいろ便利ですよ。
応量器ふうの多様椀(鉢) 拭き漆仕上げ