記事内に広告が含まれています

サトイモ・ヤマイモ【秋の野菜】

サトイモ〈里芋〉

里芋はサトイモ科の単子葉植物で、芋というのは根ではなく「地下の茎が肥大化したもの」を指します。

その地下茎の側芽が肥大したものが「小芋」
茎が地上にせり出したものが「タケノコイモ」です。

里芋の原型は、原産の南方(インドとその周辺)から渡来したものです。台湾・琉球ルートや中国ルートによって縄文時代から波状的に伝わり、日本各地で選り分けられて現在の形になったと言います。

里芋という名称は、自生の山芋に対し里で栽培した芋という意味になるようです。別名「タロイモ」

主流になっているのは「石川小芋」で、早生の石川芋は6月あたりから出回り、秋口に旬の最盛期をむかえます。

10月頃からは関東でお馴染みの「土垂」という品種が旬に。さらに12月になると「セレベス」が旬に。

種類別に分けると、
「葉柄を食べるもの」
「芋と葉柄を食べるもの」
の2種。

おおまかに説明しますと以下の様になります。

親芋専用種の里芋

親芋専用種は小芋がごく小さく、栄養を吸われる心配はありません。小芋は商品にならないので、親芋自体を食べます。
煮物などに向いています。

このタイプの変わり種が「タケノコイモ」(別名・京いも)で、サトイモとは思えないほど大きいのが特徴のひとつ。


京芋

小芋専用種の里芋

一般に「サトイモ」という場合、「小芋専用種」を指します。親芋の養分を吸い取ってしまうため、親芋は価値がありません。古くは「えぐ芋・青芋」から、石川、八幡、土垂、まで。

子芋の中でも一番好まれるのは「石川早生」
今は小芋の代名詞になっていて、「石川芋」とも呼びます。適度な粘り気があり、淡白だが味が良いからです。
料理人が「小芋」と言う場合は、店頭に多いセレベスや土垂ではなく石川早生のことです。


石川小芋

親芋、小芋、兼用種の里芋

兼用種は親芋に子芋、孫芋がつきますが、両方共食べられます。典型的なのが「八つ頭」で、子が八面、親が一面でなので「九面芋」とも呼びます。これは縁起物としても使われます。 「海老芋」「セレベス」などもこの兼用種になります。


海老芋


八つ頭

葉柄専用種の里芋

葉柄専用種は他のサトイモとは少し異なる品種を使い、芋は小さいが葉柄を立派にするタイプで葉柄にえぐみがありません。これを「ハスイモ」と呼びます。小孔が多い内部構造から蓮の名。細く打って水にさらし、お造りのケンにすることもあります。

サトイモの葉柄

葉柄専用品種が【蓮芋(はすいも)】

サトイモの葉柄が【芋茎(ずいき)】

ズイキを軟白栽培した【白だつ(白ズイキ)】【芽芋】や【根芋】など

※実際にはハスイモとズイキは明確に区別されずに流通しています


【芋茎(ずいき)】蓮芋(はすいも)


芋茎(ずいき)〈赤〉


【芋茎(ずいき)】白ダツ(しろだつ)


【芋茎(ずいき)】根芋(ねいも)

芋茎(ずいき)

芋がら

ズイキの皮をむき乾燥させたものが【芋がら】
干しずいき」「割菜」ともいいます。


干しずいき

干しずいきは庄内地方では「干しからとり」や「いもがら」などとも呼ばれており、地元で収穫のずいきの茎を自然乾燥させた寒い冬の保存食です。干しずいきは乾物のため、少量でも膨らみますので入れすぎないように加減しながらお召し上がりください。シャキシャキの歯触りのあるみそ汁やふんわり仕上がった煮物にご活用ください。お届け後、冷蔵庫にいれていただければ風味をそこなわずに保存いただけます。

土門商店

ヤマイモ〈山芋〉

【ヤマノイモ】

ヤマノイモ(山芋)とは、「ヤマイモ」「ジネンジョ」「ダイショ」、この三種類の総称です。

ヤマイモは中国原産、ジネンジョは日本原産、ダイショは東南アジア原産の南方系。それぞれ種が異なります。

ダイショ、キャッサバ(タピオカ)、ヤーコンなどは国内での生産も消費も少なく、したがってヤマノイモは、ほぼ山芋か自然薯を意味するようになっています。


ヤーコン

一般的には自然薯を「山の芋」、栽培種を「山芋」と呼び分けていましたが、近年は天然とみまがうほどの品質を持つ栽培自然薯が出ていたりしますので、「天然自然薯」と「栽培ヤマイモ」に大別します。

自然薯(じねんじょ)

ヤマノイモ科ヤマノイモ属
別名「薯蕷」(じょよ)
日本の山野に自生する日本原産の芋。
近年は栽培種も多いが、粘りの強さは野生の自然薯がダントツ。
野趣の強い香りも天然物に及ばない。


自然薯


ジネンジョ

山芋(ヤマイモ)

ヤマノイモ科ヤマノイモ属
中国原産で、日本に来たのは平安時代あたりだという説があるが正確には分からない。今はほぼ全部が栽培品種となっています。

【長形種】【扁形種】【塊形種】に大別されます。

長芋(ながいも)

ヤマイモの長形種。
別名「トックリイモ」「一年薯」

自然薯や他の二種と違って粘りは少ないが、栽培のしやすや、食べやすさ、扱いやすさ、三拍子揃っているので、現在のヤマイモの主流で、店に並ぶ山芋の殆どが本種です。

長芋/ヤマイモ
長芋/ヤマイモ

ながいも

つくね芋

ヤマイモの塊形種
関西風の呼び方である【大和芋】と言われることが多く、「丹波芋」「伊勢芋」などと産地の名前でも呼ばれたりします。粘りが強いのが特徴。


山の芋

変わり種


宇宙芋〈ウチュウイモ〉

いちょう芋

ヤマイモの扁形種
銀杏の葉に似た形をしており、主な消費地である関東では「大和芋」と呼ぶことがあります。また、「とろろ芋」と名を付けられているケースも多々あります。
やはり粘りが強い山芋です。

一般的に関東地方では銀杏芋ではなく「大和芋」と呼ばれる


いちょう芋

ムカゴ(零余子)

むかご」とは自然薯や山芋の葉の付け根にできる小さなイモのことです。
皮付きのまま揚げ物にしたり、塩茹でにしたり、すり鉢で皮を落として炊き込みご飯(ムカゴご飯)にしたりします。


むかご

<<秋の青果

タイトルとURLをコピーしました