タコ、イカ、エビ、カニ、貝
クルマエビ(車蝦)
クルマエビは「マキ」と呼ばれます。
他のエビとは明らかに違う規則正しい縞模様。
曲げるとまるで車輪のように見えるので「車蝦」
20グラム以下の小型→サイマキ
20~25グラム→中マキ
中以上40グラム以下→大マキ
(これ以上だと大グルマなどと呼ぶことがあります)
様々な種類があるエビ類ですが、最も代表的なエビと言えましょう。なので「ほんえび」、あるいは普通に「えび」と呼ぶのはクルマを指します。
鮨屋と天ぷら屋には必需品。
シャコ(蝦蛄)
シャコ(蝦蛄)の産卵期は5~7月。
初春から秋口まで出回りますが、シャコと言えば「子持ち」
なので晩春~初夏(5~7月)のシャコが珍重されます。(剥いた茹で冷凍は通年出回ります)
活けシャコをボイルする場合は、死んだ個体を取り除いてボイルします。(量がまとまっているのでどうしても死ぬものが出ます)必ず生きているものだけを使用。
卵は「かつぶし」と呼ばれ、爪の肉も珍味です。
標準和名: シャコ (蝦蛄)
地方名: シャコエビ、ガサエビ、シャク、シャッパ、ガレージなど
産地: 瀬戸内海 播磨灘 (兵庫県姫路市)活きたまま発送します!寿司種としてお馴染みのシャコ。外見はエビに似ていますが、味はカニに近いです。1kgあたり30~40尾程度(1尾あたり25~40g程度)です。
瀬戸内の天然活魚 はりかい
セミエビ(蟬海老)
ウチワエビ・ゾウリエビ・セミエビ
セミエビ科のエビは、平たい原始的な姿が特徴。
うちわえび、せみえび、ぞうりえび等が知られる。
めったに市場に出ないが、美味しい海老です。
マダコ(真蛸)
マダコ(真蛸)は味が濃い。
ミズダコに比べやや固いが、それが逆に好まれる。
晩春に沖から沿岸の岩礁に移動し夏の産卵に備え「たこつぼ」に入る。なので旬は夏場だが、関東から北では11~12月の「冬だこ」も。
西は夏、北は冬、大雑把に全国的に年2回の旬がある。
テナガダコ(手長蛸)
手長ダコは韓国料理にておなじみ。
マダコ同様夏場が旬ですが、一般にはあまり流通しません。
名前の通り手(脚)が長く、煮物やおでんに入れると美味しい小型のタコ。
瀬戸内の天然活魚 はりかい
身が柔らかく、プリプリとした食感で美味。
韓国料理でよく用いられています。特に、生きているテナガダコの足をぶつ切りにして踊り食いする「サンナクチ(サンナッチ)」が有名。
アオリイカ
アオリイカ(障泥烏賊)は、刺身、天ぷら、寿司ダネによく使われる高級イカ。
もちもちした身は食べ応えがあります。
別名は『ミズイカ』
外見は甲イカ類に見えますが、石灰質の甲はなく、甲イカとは別種。
沖縄「イカ汁」、長崎の「くろみ」は、アオリイカの身とスミを使った料理。
ケンサキイカ(剣先烏賊)
ケンサキイカ(剣先烏賊)の干したものは「一番スルメ」と呼ばれ高級品になりますが、このイカほどややこしいイカはありません。
どうしてかと言うと、ケンサキイカは地域によって名前が変化するからです。
魚介はそういう事が珍しくなく、あって当たり前ではあるんですが、ケンサキは酷すぎます。
何故なら「白いか」と呼ばれたり、その正反対に「赤いか」と呼ばれたりするからです。
「白なのか赤なのか、はっきりしやがれ!」ですな(笑)
同じイカを白いか、赤いか、と呼び、それぞれ別のイカだと思っているわけですが、実はすべてケンサキ
ケンサキの地方名は他に、マルイカ、ブドウイカ、メヒカリなど。
紛らわしい事に、スルメイカに近い「アカイカ(正式和名)」というケンサキと似たイカがおりまして、これの別名が「ムラサキイカ」とか「バカイカ」なのですが、このアカイカと混同されてしまい、そのまま流通してしまう、などという信じられないことも珍しくなかったのです。
今でも「ケンサキ」という名前は浸透しておらず、板前でさえも「アカイカ」と「シロイカ」の明確な違いを言える者は殆どいない状態です(ネットの世になって少しマシになって来ました)
旬が夏場で、外見はヤリイカとそっくりだが、身が厚く、腕はヤリよりもずっと長い。
これがケンサキイカです。
シロだのアカだの言ってないで、ケンサキに統一されないもんでしょうかねぇ。
スルメイカ(鯣烏賊)
スルメイカ(鯣烏賊)の主な出回り期は夏と秋の二回。
短い一生(一年)を黒潮・対馬暖流にのって南北に回遊し、それぞれ三陸・北海道、日本海沖で捕獲されます。
あるいは日本人が一番好きな魚介かもしれません。
どんな料理にしても美味しいですよね。
アワビ
あわび(鮑)は次の4種類。
・えぞ鮑
・まだか鮑
・くろ鮑
・めかい鮑
メカイはオレンジに見える薄い褐色が特徴。
他の鮑が黒に近い色なのですぐに分かります。
これはどちらかと言えば「煮貝」に向いています。
メスの鮑という意味ではなく、そういう種類です。
マダカは非常に大きく、しかも美味い。
しかし深いところに棲息し、漁獲量は極めて少ない。
なので通常の流通ルートでは入手困難。
エゾはその名の通り北海道近辺の鮑ですが、けっこう広範に分布していますので北海道限定というわけではなく、あくまでも種類です。
一般的に利用する鮑の多くはクロになります。
水深の浅い場所に棲み、とりやすい事もあるでしょう。
もちろん刺身でも煮貝でも美味い貝です。
鮑の料理は「塩」と「酒」が必須。
やわらかく煮たり、蒸したりする場合は酒。
たっぷり使うのがコツです。
塩は使い方に配慮が必要です。
「水貝」とかコリコリ固い食感を期待する場合は、たっぷりの塩で締めてからよく洗う。
しかし硬すぎて不味くなってしまう(小型の鮑に多い)ケースも。こういう場合は塩の量を加減するか、使わない。
煮物などにするケースを除き、できるだけ大きい鮑が良いですね。
イワガキ(岩牡蠣)
一般的なマガキ(真牡蠣)の旬が冬場である事は周知。
しかし、以前から本州・九州の一部では夏のカキが知られていた。イワガキ(岩牡蠣)がそれであり、現在では養殖も盛んです。
大きくて分厚い殻が特徴で、「靴がき」とも呼ばれます。
身も大きく、カキ好きにはたまらないものでしょう。
調理法などはマガキと同じで、もちろん生食でもOK。
シジミ(蜆)
シジミのお汁。
なんとも美味いものですよね。
蜆の栄養についても今ではもう知らない人はいないでしょう。栄養学の知識が無い大昔からその効能は広く知られていました。
しじみには、良質のタンパク質が含まれ、 尚且つ必須アミノ酸の配合比率が貝類のなかでも際立っていますし、ミネラルも多い。近年は「新しい栄養素」と言われる色々な機能性成分が注目されています。
さてシジミの旬なんですが、「寒しじみ」だの「土用しじみ」だの反対の名で呼ばれたりしてまして、「夏が旬なのか冬が旬なのかどっちなんだ」そう思ってなさる方もいるかもしれねぇですね。
簡単に言いますとね、
川や湖で獲れる淡水産のマシジミは冬が旬
海水が混じる汽水域で獲れるヤマトシジミは夏が旬
こう憶えておけばよいです。
(採れる地域等で差異が出ます)
『ましじみ』(真蜆)は少し横幅が広く、若いやつは黄色味を帯びています。
所謂【寒しじみ】ってのはこいつのことで生殖巣が熟する冬が旬。
そして普通に「シジミ」として売られている大半は【土用しじみ】と呼ばれる『やまとしじみ』になります。晩春から夏にかけて旬をむかえます。
それと、現在は幻に近いほど激減してますが、琵琶湖特産の『せたしじみ』は大変おいしく、若い固体はつやも鮮やかな黄金色をしています。
「二日酔いにはシジミ汁」と昔から言いまして、おいらもお世話になってるありがたい貝ですんで、その栄養面を今さら強調するまでもないでしょうが、二日酔いに効くってのは要するに肝臓に良い成分が多いってこと。
グリコーゲンやロイシン、リジン、メチオニンなどのアミノ酸、それにタウリンやカロテン、そしてカルシウムを筆頭にミネラル類特に鉄分が豊富、ビタミンはB12を始めA、C、E、K、B1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、葉酸。健康成分のオンパレードですな。
さて食べ方ですけども、
酒や焼酎をぶっかけてフタして加熱するだけの【酒蒸し】
アサリ飯みたいに飯と炊く【シジミ炊き込みご飯】
上品に【おすまし】
色々ありますが、やっぱり『しじみは汁を飲む』ですよ。
味噌汁が一番でしょう。
もうひとつ、シジミは濃厚な赤味噌とも相性が良いです。ナメコ同様八丁味噌でも旨くいただけますよ。
汁にすると小さなシジミの身はたべにくいので汁だけ飲む人もいますが、先にあげた栄養の半分ほどはまだ身に残ってますので、身も食べる様にしましょう。
各地の大和シジミ(土用しじみ)は3月から5月にかけて漁期が始まります。 本当に体に良い食品ですので、たくさんお食べ下さい。
※砂の吐かせ方ですが、淡水産でも1%程度の塩水を使います。半日ほど浸しておきます。砂を吐いたらよく揉み洗いして殻の汚れを落としザルに取り水切りしておきます。この後使う分だけとって残りはフリージング専用袋に入れ冷凍しておきましょう。使うときは凍ったまま加熱します。
岩木川の淡水と日本海の海水がいい按配に混じった汽水湖でして、岩木川河口あたりのシジミは特に最高とされていますが、この界隈ではしじみ味噌仕立て汁でも「しじみ汁」と呼びます。塩味が主体で味噌は少しだけしか入れないからです。理由はシジミの風味が味噌で消えてしまうからですな。
カメノテ(亀の手)
亀の手(カメノテ)はフジツボの仲間です。
ホヤなどと似て何だか分からない奇妙な生き物ですけども、ミョウガガイ科に属しますので、一応「貝の一種」と考えるしかないのか知れません。
ボイルして使いますが、よいスープがとれるので汁物にします。
筋肉の部分を食べられます。
ホヤ
ホヤ(海鞘)は、なんとも奇妙な海産物です。
植物のようにも見えますが、もちろん動物です。
動物ともいっても貝やナマコの類ではなく「尾索動物」の一種。
※ナマコに似た匂いがあり、ナマコの腸線とホヤを合わせた「莫久来(ばくらい)」という塩辛があります。
主産地は三陸で、養殖もされています。
一般的には「マボヤ」がほとんどですが、「赤ほや」もあります。
シッタカ貝
シッタカとは、「ばていら」「ぎんたかはま」「おおこしだかがんがら」などの別名です。憶えにくい舌を噛みそうな名前ばかりなので「しったか」の方が通りが良いというわけです。
これらの貝は「ながらみ」と同じく、《磯遊び》の巻貝です。
主に砂地にいる二枚貝の場合は《潮干狩り》
こちらは砂浜も含めた磯全体に生息する貝です。
磯で採集して子供たちがオハジキにしたりとか、そういうもの。
ほとんどは食用になり、磯の香り高い「ダシ」が出ます。
なのでみそ汁等に最適。
少し大き目だと塩茹でして、針等で身を取り出して食べます。
ナガラミは本州中部から九州の浅い砂底に生息している貝で、素朴な塩ゆでや佃煮、味噌焼き、汁などにします。 正式な名はダンベイキサゴ(団平喜佐古)
キサゴ、マイゴなどの呼び方もあります。
ケガニ(毛蟹)
ケガニ(毛蟹)はクリガニ科のカニで北海道の名産。
別名大クリガニ。
似たカニに科の違う「クリガニ」がいて、毛蟹として売られたりしていましたが、明らかに見た目が違う(クリガニは極端な菱型)ので見分けられます。
日本海は山陰あたりまで分布し、太平洋側は三陸から北の海に広く分布。
「ケガニが一番味が濃い」
カニ好きの人がよく言う言葉です。
少々食べづらいものですが、やはり旨味は抜群ではないでしょうか。カニミソたっぷりの甲羅酒の楽しみもありますしね。 少し大きめの毛がにを選んだ方がよさそうです。
毛がにの主産地は北海道で、噴火湾、釧路・根室、日高、十勝、オホーツク海沿岸などが主産地ですが、それぞれに漁期が異なるため1年を通して出回っています。
一般的に毛ガニの旬は冬だと思われていることが多く、この時期に需要も増すのですが、北海道の漁場の多くは夏7月が漁期になっており(場所で漁期が違います)、冬から春の脱皮時期の漁は避けられます。
極めて大雑把に言うと、オホーツク海産の旬は夏、多くの北海道沿岸での旬は冬。ロシアの領域からの水揚げが多い現状からすれば、今は夏物が主体と言えるかもしれません。
なんであれ使用者側からみれば冬の商品です。
夏、秋に沖合にいて、冬になると産卵のために沿岸に近づくカニなので、旬は冬場と言えますが、大事な資源なのでこの時期の捕獲を避けているわけですね。もし子持ちを大量捕獲するようになれば、成長の遅いカニはたちまち絶滅するでしょう。
我々消費者が毛がにを選ぶ基準は、産地や時期ではなく「ランク」だと考えたほうが良さそうです。黒毛和牛などと同じように、その道のプロが選択してランクを決めていますので我々の判断よりも確かだからです。
生コンブ(生昆布)
昆布の収穫期は7~8月で、その頃が旬。
しかし商品としての昆布はほぼ全てが乾燥品。
周年出回る乾物に旬というものはありません。
ここでは生タイプの昆布を紹介します。
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