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仁清手:和食器の模様

仁清手

中国から有田に渡来した色絵の技法は、基本的に文様の輪郭線を描き、その中を絵具で塗りつぶす(濃み)手法です。つまり塗り絵みたいなやり方。

正保年間(1644~1648)頃、京で「御室窯(おむろがま)」を開き、後に「京焼色絵の祖」と云われる『野々村仁清』は、斬新な色絵付けを始めました。黒い輪郭の線を描かないで、日本画の様に縁取りのない絵柄を描く手法です。

華やか、かつ精緻な「仁清手」は、色絵発祥の地有田にも影響を与え、後の京焼・清水焼き色絵の基本にもなっています。また、仁清は薄手の素地を精密に狂いなく形にする轆轤の技術も非常に高度だったと云われ、それも現在の京焼に影響を与えている様です。黒の縁取りがない描き方、あるいは金の輪郭線をつけてある描き方も京焼色絵の特徴です。京焼だけではなく仁清手は有田でも九谷でも作られています。


仁清手

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