日本酒をどう選ぶか
日本酒は大まかに分けると下の二種。
【普通酒】
一般に売られている「日本酒」のほとんどがこれです。
三倍増醸清酒、ブレンド酒も含まれます。
【特定名称酒】
本醸造酒、純米酒、吟醸酒、純米吟醸酒、大吟醸酒、純米大吟醸酒
日本酒度、甘辛度、酸度、アミノ酸度、なんて色々な情報が表示される様になって逆に分かり難いです。
日本酒の製造は他に抜きん出て複雑高度な過程がありますから、完成品もそれなりに複雑なのは仕方ありません。
けども、それじゃ「日本酒オタク」以外の普通の酒好きには不親切であり、結果としてさらに日本酒離れが多くなるだけですわ。
業界も【差別化】に目の色変えてばかりいないで、ユーザーの立場にたった単純表示を考えて欲しいもんです。
日本酒の消費は長年減少が続いています。
おいら達より上の年代に比べたら半減以下ってところでしょう。
若い時にね、「いつも二級酒ばかりじゃあれだし、たまにゃ特級酒でも飲むか」なんて言って特級を買って飲んだら、味なんて変わりない。
内心「なんだこりゃ、ポン酒ってのはデタラメなんだなあ」そう思ったもんです。
消費者が日本酒離れした大きな原因は、
戦後日本酒の主流として売られている【三増酒】
それに、ねじれきって意味の分からない【日本酒級別制度】
このふたつですね(他にも色々ありますが)
三倍増醸清酒とは簡単に言えば「何倍にも薄めた混ぜ物酒」
特級、一級、二級で酒を区別してた日本酒級別制度は昭和15年から平成4年まで存在した酒税法上の日本酒分類ですが、1992年に完全に撤廃されたとはいえ、その後平成2年から新導入された製法品質表示基準による任意記載事項による「表示」も、分かりやすいなんて言えたシロモンじゃありません。
国税庁・酒造メーカー・業界団体が、消費者の存在を忘れて「いじくり過ぎ」たのが「不透明で分かり難い日本酒」ってイメージの元でしょうな。
何でそうなるの?
それはこの国のあらゆる場所で日常になってる「官と産が民を無視して物事を進める」って構図がここにもあるって事でしょう、要するに。
まあ自分の首を絞める様な事を続ければよいでしょう。
そんな事はあるにせよ日本酒ってのはね、本当は美味いです。
日本酒を選ぶには
三倍増醸酒とブレンド酒は避けて、特定名称酒の中から実際に飲んでみて自分の口に合う酒を選ぶことです。
他人からどう能書き聞かされても、酒は嗜好品、飲んでみるまで好みに合うかは分からないからです。
あなたが美味いと感じた酒がすなわち「名酒」なんですよ。
振り回される必要はありません。自分の舌を信じましょう。
魚山人個人のおすすめは「特別純米」→「純米」→「純米大吟醸」なんですが。もちろんこれは「個人の感想」でしかありません。
人の数だけ好みがあります。ご自分が気に入ったものが最高の日本酒ですよ。