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食塩の選び方

塩の選び方

1997年の規制緩和以降、全国で流下式塩田や揚浜式塩田などの古式な方法で作られ始め、「自然塩ブーム」が始まりました。

*専売公社によるイオン交換膜製塩法の塩、いわゆる「化学精製塩」に対する反感もあったと思われます。
*ブーム以前から日本食用塩研究会などにより「伯方の塩」・「赤穂の天塩」・「海の精」なんかのアンチ化学塩が製造販売されています。

さらに2002年4には塩の販売が自由化された事により、多くの銘柄塩が流通するようになりました。しかし自由化は商品の表示があまりにも分かり難いという弊害も生みました。事業者が独自に表現方法を選べる為に「まぎらわしい」ものが多く、消費者の混乱と不信を呼んだわけです。そこで公正取引委員会が動き、今後は「自然」、「天然」などの表示は基本的に使用しないという流れになっています。

料理人として個人の意見を言いますと、「塩からミネラル成分の効果、つまり健康などを期待するのはナンセンスであるけども、しょっぱいだけの化学塩よりはミネラル成分の残る塩が旨いのでそちらを選ぶ」それだけです。

食用塩には5味があり、料理の用途により使い分けます

「鹹味」(かんみ)
塩味の事。塩化ナトリウムの純度が高い普通の精製塩の特徴。

「苦味」(にがみ)
天日干しの塩の特徴です。辛さの中に深い苦味があります。 マグネシウムが多く低純度の塩だからでしょう。

「甘味」(かんみ・あまみ)
辛味のなかにまろやかな甘みを感じる塩。
硫酸カルシウムと塩化マグネシウムが多い塩です。

「酸味」(さんみ)
塩化カリウムが多いのが特徴です。
辛さのなかに酸味を感じる塩です。

「旨味/美味」(うまみ、うまあじ)
塩化ナトリウムの純度が低く、
対して各種ミネラルが程よくバランスしている塩。
刺激的な辛味が無いのが特徴です。

塩の種類

原塩

天日製塩などで作られたもので、醤油の醸造、漬物、水産加工などに使う業務用の塩です。広い意味では「輸入天日塩」全般を指す言葉です。
塩化ナトリウム95%以上。
オーストラリアやメキシコからの輸入が多いようです。これを粉砕した「粉砕塩」も業務用塩になります。


天日原塩

精製塩

原塩を加工し、塩化ナトリウムを99・5%以上にしたもの。
食品加工、パン・菓子など、幅広く使われる塩です。
また、乳製品の加工に使う「特級精製塩」は塩化ナトリウムを99・8%以上にまで加工した精製塩です。


精製塩

食塩

「イオン交換膜電気透析法」によって作られ、主に財団法人塩事業センター(旧専売公社)が供給する塩。
塩化ナトリウム99%以上。
一般に、調味料としての塩はこれを指していることが多いです。


食塩

並塩

食塩と同じくイオン交換膜法で鹹水を濃縮して作ります。
塩化ナトリウムを95%以上と純度を下げてありますので、多少雑味が残り、漬物、めん類、水産物加工等に丁度良いですね。


並塩

調味味つけ用

「食卓塩」や「味つけ塩」などが典型ですね。
味つけ塩にはクッキングソルトやキッチンソルト(これらは旧専売の商品名です)があり、クッキングの方がやや粒度が粗くなっています。
「食卓塩」、「味つけ塩(調味塩)」ともに塩化ナトリウム99%以上で、塩基性炭酸マグネシウム0・4%が含まれます。

漬物塩

漬物用に作られたもので、原塩を粉砕しクエン酸やリンゴ酸、それに塩化マグネシウムを加えたものです。塩化ナトリウム95%以上。漬物は並塩を使うことも多いです。
(ただし、これは事業センターの基準であり、他社から出ている漬物塩はそれぞれに特色や差異があります)


漬物塩

特殊製法塩

天然塩、自然塩

輸入原塩を加工した物から、塩田法で作る物まで様々。
平釜で煮詰めたり、加熱せずに天日乾燥だけさせたりと、手法も色々です。
塩の原料は全部「天然」であり、「自然」ですので、少しモヤモヤ感が残る呼称ではありますが、昔に比べてだいぶ分かりやすくはなりました。

国内で海水を原料に造った塩以外は、今ははっきりと「輸入原塩」が原材料だと表示されています。

天然塩、自然塩とは「化学塩以外の塩」だと理解すればいいでしょう。要するに食塩と精製塩以外の「海塩」「岩塩」「湖塩」などを、化学的な手法を用いないで製品化したものと言えましょう。

自然海塩

自然塩再興の先駆けになった「海の精」
立体塩田(タワー)、平釜、太陽と風、それらのみで伊豆大島の海水からミネラル豊富な塩を作っています。


海の精

天日塩

釜炊きせずに、プールの海水を天日で結晶化させた、いわゆる『天日干し塩』

特殊製法海塩

著名な海水自然塩。いずれも沖縄の海水のみで製造され、ミネラルが多いのが特徴です。


雪塩


海人の藻塩

再生自然塩

典型的な「再生自然塩」


伯方の塩

岩塩

総じてマイルドな口当たりで、カルシウム分が多い岩塩は、日本では産出せず、海外からの輸入になります。世界には塩水湖や塩原が多く、いろいろな場所で岩塩がとれます。
鉱脈を直接採掘したり、淡水を注入して汲み上げたりして岩塩を生産しています。
ヒマラヤやアンデス、ドイツアルプスの「アルペンザルツ」などがよく知られるところです。
鉄分を含んだ岩塩は淡いピンク色をしており、「ローズソルト」などという名称で呼ばれています。


業務用岩塩

用途に合わせた塩

目的に応じた、色々な塩製品が出ています。

焼き塩

焼いて塩化マグネシウムを酸化マグネシウムに変えるのが一般的。吸湿性がなくなりサラサラの塩になるため、塩を振る調理に使いやすくなっています。

調味塩

他の材料を塩に混ぜ込んだ調味塩・調理塩
香辛料や昆布などをあわせて独自の味にしたものです。

塩と料理

・料理の味つけ塩は「1%ほど」

0・9~1%の塩分量が最も美味しく感じます。
この際多少雑味があったほうがまろやかです。

・塩1㏄(ひとつまみ)を他の調味料で換算
醤油=小さじ1~2(5~10㏄)
味噌=大さじ1程度(10~20g)
バター=大さじ4(50g)
ウスターソース=小さじ2(10g)
マヨネーズ=大さじ3弱(40g)
ケチャップ=大さじ2(30g)

塩と料理(調味料と味付け→塩の役割


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