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春の山菜

旬の春山菜

ゼンマイ

ゼンマイ(薇)は、各地に自生する日本固有の山菜(シダの一種)
若い「裸葉」の軸を食用にする。

淡い褐色の毛で覆われておりアクが強い。
食用にするには灰汁で茹でて揉み、いったん乾燥させる。

アク抜きと乾燥が不可分になっていますので、自分でやるのは大変。
したがって「乾燥させたもの」か「水煮したもの」を使用します。
煮物や和え物、韓国料理のナムルなど。


ゼンマイ

わらび

ワラビ(蕨)は、たいへん古くから春の山菜として親しまれています。万葉集にも詠まれているほど。

アクが強いため、生を調理するにはアク抜きが必要です。(使いやすい乾燥タイプもあり、こちらは栄養も濃い)

灰か重曹をまぶしながら穂先のうぶ毛をこすり落とし、熱湯をかけて一晩置いておいてアク抜き。
保存するなら、この後水に浸して冷蔵庫に。1週間ほどもちます。

比較的栄養がある山菜ですが、このアク抜きによりビタミンB2を失います。しかしワラビにはVB1破壊酵素と発がん性が含まれ、これを除去する為にも必ずアクを抜いたほうが良いのです。


わらび

山うど

うど(独活・土当帰)は日本原産の多年草。独特の香りと歯ごたえが好まれ、普通に見かける山菜です。

一般に流通しているウドは栽培物。栽培のウドには以下の2種類が知られます。
光を当てず白く育てる→【軟白うど】
半分を盛土で覆って緑を残す緑化ウド→【山うど】
普通にウドと呼ばれるものは、軟白うどです。

一方、本当の意味での「山うど」を【野ウド】と呼びます。山菜としてのウドは、この「野ウド/山ウド」を指しています。


山うど

アケビの芽

アケビは甘い果実を食べるものとして知られる。その果皮は山菜料理としても使われます。
ここで紹介する「アケビノメ」はアケビの新芽。
この新芽を新潟や山形では「木の芽」と呼びます。
(木の芽と言う場合、一般的には山椒の芽を指しています)


アケビの芽

ふき

フキ(蕗)は希少な日本原産の野菜。
出回るフキの大半は早生の栽培物ですが、自生天然もまだ健在。フキのつぼみは「ふきのとう」としてよく知られます。

フキはアクが強い野菜として知られ、アク抜きが必要です。
(生で漬ける場合は必要なし)
重曹や木灰などを加えて茹でるのが伝統的なアク抜き方法。

しかし、アクの成分はポルフェノールであり、抜きすぎるのはどうか。こんへんは目的に応じて加減が必要ではないかと思います。

濃い味で煮る【きゃらぶき(伽羅蕗)】がよく知られます。これは保存が目的。どちらかと言えば薄味に仕上げたほうが良いです。

保存するなら塩や糠に漬けた方がいいでしょう。塩抜きして使います。
葉の方は茹でた後、数時間流水にさらすとアクが抜けます。

※ツワブキ(石蕗)というフキとよく似た植物があります。これはフキではありませんので、お間違いなく。でも、フキと同じようにして食べられます。


ふき

ふきのとう

ふきのとう(蕗の薹)は、フキ(蕗)の花序です。
花が開く前の蕾の状態を早春に摘んで食用にします。花が開きだす前は苦味もアクもなく、生を刻んで汁に浮かべることも。 「ふきみそ」とか味噌和え、天ぷらなどで初春の香りを楽しみます。


ふきのとう

行者にんにく

ギョウジャニンニク(行者忍辱)は、ユリ科でネギの仲間。
奈良県から北の各地に分布し、最近では栽培もされています。 葉は「ぬた」やおひたし、茎は生で味噌などをつけて、あるいはサラダに。


行者にんにく

コゴミ

コゴミは、和名「クサソテツ(草蘇鉄)」の別名。
シダの仲間では最も美味しいとされる山菜です。

アクもないため食べやすく、和え物や天ぷらにする。
お浸しも美味しい。


コゴミ

コシアブラ

コシアブラ(漉油・金塗)は、日本原産の落葉性高木。
樹液を漉して塗料にしたのでこの名前になったという。

葉が開く前に新芽を採り、揚げ物、和え物、おひたしなどに。


こしあぶら

タラの芽

タラの芽(楤芽)は、各地に自生する「たらの木(ウコギ科)」の若芽。同じウコギ科タラノキ属であるウドの萌芽とよく似ています。

山菜のなかでも人気があり、栽培物が店頭に並ぶ。
天然のタラノメは柔らかな甘味があり、ほろ苦さとあいまって美味しい。
天ぷらのほか、和え物やお浸しなどに。


タラの芽

つくし

つくし(土筆)は、スギナ(シダの一種)の胞子茎です。
早春の代表的な摘み草。

「つくし誰の子すぎなの子」と歌われるほど日本人に馴染み深いもの。
しかしそれも昔の話で、もう都会の店頭に並ぶこともない。
一部の日本料理店で利用されるのみでした。

近年になって、山菜としての価値の他、花粉症などのへの薬効で注目されているようです。

「はかま」を剥がし取って茹でた後、「おひたし」「和え物」「佃煮」「汁の実」「てんぷら」などに。


つくし

根曲がり竹

モウソウチクとハチクの時期は去ろうとしていますが、今から6月頃までは姫竹の美味しい時期になります。姫竹とはネマガリダケ(根曲竹)のタケノコで、根曲竹はコウライザサ、アサヒザサ、ゴサンチク(五三竹)、ジダケ、ヤマダケ、など色々な別名がありますが、正確にはイネ科ササ属のチシマザサ(千島笹)です。

板前がこの中から献立に書く字ヅラを選ぶとすれば、当然ながら最も美しい『姫竹』を使う事になるんですが。

瓶詰めなどが年中出回ってますけど、香りは望むべくもありません。山菜は香りが命ですので旬を楽しむべきものです。

この「根曲がり竹」の名は茎の根元から反り返るように曲がって伸びることからなんですが(積雪の重みによる)、そのせいか曲げに強く、水にも強い性質があります。これは調理用のザルに最適ですな。特に蕎麦用に良いです。ですから蕎麦屋はこの竹で編まれた笊を好んで使います。

淡白で灰汁(あく)が少ないので食べやすく、採り立てはアクを抜かず食べられます。北海道から東北地方、長野県の北部にかけて、郷土の食材として人気が高い山菜です。積雪の多い北日本の山深くの斜面に生育する植物だからです。

故郷がそちら方面の方は、きっとお母さんやお婆ちゃんが作ったネマガリダケの煮物をよく憶えていらっしゃる事でしょう。故郷の味って奴ですな。田舎の無いおいら達にはうらやましい話です。

それと奥信濃と上越地方の方々は今頃【サバ缶の味噌汁】を召し上がってるのではないでしょうかねぇ。根曲竹と鯖の水煮缶詰を具に作る独特の味噌汁です。

山形で見た記憶をたよりにちょいと田舎風に煮てみました。口当たりと香りを楽しみながらおかずと言うよりもアテにして美味しかったです。

himetake

天ぷら・素揚げ・煮物・和え物・味噌汁など色々な食べ方がありますが、採り立てを素焼きにするのが一番旨いですね。しかし残念ですがこの食べ方は産地でしか出来ません(もしくは極めて新鮮か小振りか)。時間がたつと急速にえぐ味が出て固くなります。ですので一般的にはやはりアク抜きが必要です。米のとぎ汁か糠で茹でて灰汁抜きしてから使いましょう。皮は簡単に手で剥けます。

山菜にしてはえぐ味が少なく、タケノコらしく香りも芳醇。サイズも良く思わず食べたくなる可愛さもあります。タケノコの原産は中国だとされますが、これは日本原産だと考えられますし。形もいいし名前も「姫竹」とくれば、これは初夏にぜひ食べておきたい季節野菜ですね。


根曲がり竹

その他の山菜

あいこ

あずきな

いたどり

しどけ

しおで

かたくり

のびる

うるい

かんぞう

がんそく

うどの芽

北海道の天然山菜

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