調味料としての甘味料
現在、甘味料は料理などになくてはならない存在となっています。ただし、塩と違って砂糖などの甘味は人間の「生命」には無関係の嗜好品です。
「脳の栄養に欠かせない」などと言うのは大間違いであり、ヒトの生理には何らの役目を果たしていません。
反対に、使いすぎれば健康を害するのではないかという疑念があります。それは「塩」以上ではないでしょうか。
嗜好品とは「楽しみの為にある」存在です。
決して人間の健康には寄与しない事を念頭に置いておき、「使いすぎ」にはくれぐれも注意して用いるようにしましょう。
具体的に言うなら、「食べる者に依存性(中毒性)を起こさせるような用法は慎む」べきでしょう。
どんな時代になろうと、「甘いものにはトゲがある」のです。
心の安息と憩いのために、節度を持ってたしなむ。
甘味料とは本来そのような食品だと思います。
砂糖
砂糖とは、果糖とブドウ糖が結合した「ショ糖」を指します。
「甘蔗」(サトウキビ原料)と「甜菜」(ビートなど)の二つの種類に大別できます。大半の砂糖は甘蔗になります。
精製した砂糖は、遠心分離して糖蜜を除いた【分蜜糖】と、糖蜜を分離しない【含蜜糖】に分けられます。
含蜜糖の代表が「黒砂糖」や「和三盆」であり、独特の風味を持っています。
砂糖の基本的な使い方は、純度が低い(雑味の残る)ものをコクや風味を出すために使い、純度が高い(グラニューのように精製度の高い)ものを飲料などサラリとした当たりを残したい場合に用います。この低いほうが含蜜糖になるというわけです。
含蜜糖
黒砂糖
糖度は73~86%と低いが甘味は強い。
サトウキビを圧搾した糖液を濃縮して固めたもの。
※「黒糖」という呼び方は沖縄県産の黒砂糖を指します
奄美諸島産粗精含蜜糖
てんさい含蜜糖
和三盆糖
糖度約96%。徳島、香川の特産品。
昔から伝わる独特の「押し」「研ぎ」を繰り返す分蜜方法で作られている結晶の小さい淡黄色の含蜜糖。特有の上品な風味を持ち、高級和菓子などに使うものです。
含蜜糖は他に「赤糖」や「白下糖」などがあります。
分蜜糖
砂糖の原料であるサトウキビの茎は、もともと糖度が20%に満たない程度。このへんが自然界の「天然の甘さ」であることは果物の糖度などから分かります。
糖度16%前後のサトウキビから汁をとり、それを濃縮、遠心分離して糖度96%程度まで上げるわけです。
この工程は繰り返される作業ですから、その過程で「一番糖」「二番糖」が出来まして、これを【粗糖】(原料糖)と呼びます。ちなみに三番糖は廃棄糖と言いまして、工場などで「発酵」に使用されます。
一番と二番は精製前ですので、サトウキビの成分がかなり残っておりまして、コクのある料理に向いておりますし、食材の臭みを抜く作用もあります。つまり、ある種の魚の煮物などに最適ということです。
結晶糖
粗糖を溶かし、濃縮、結晶化させたのが「精製糖」です。
この結晶の粒子が大きのを【結晶糖】と言い、粒子が小さいのを【車糖】と言います。
車糖(くるまとう)
精製糖の一番~五番で、結晶が小さく吸湿性がある。
ビスコを噴霧して固着化を防いでいる。
一般に「白砂糖」と呼ばれているのが1~2番の「上白糖」になります。
3番が「中白糖」で少し黄色く、5番の「三温糖」は褐色に。
この三温糖は風味をいかした煮物に使います。
純度は上白が最も高く、三温糖は低め。
加工糖
用途に合わせて加工度合いを高めた砂糖です。
以下はグラニュー糖を用途別に加工したもの
粉砂糖
液糖
砂糖や転化糖の溶液で、液体状の砂糖です。
主流は「異性化液糖」(果糖とブドウ糖を変化させたもの)
粉末糖よりも手間がかからない為低コスト。
これを原料に加えてシロップ類などの甘味料を製造します。
食品工業で重宝されます。
甘味料
天然甘味料と人工甘味料があり、個々に性質は違いますが、総じて砂糖のような血糖値や中性脂肪、コレステロールへの影響は、少ないか無いものが多いです。
澱粉系甘味料
希少糖-D-プシコース
香川県が力を入れている、砂糖の7割程度の甘味がありながら、カロリーはほぼゼロという甘味料。
砂糖のわずか0.3%のカロリーしかエネルギーとして利用されないという。
今後、コスト低減などの課題がクリアできるか。つまり、「料理用の調味料」として使い得る品になるのか。そのへんが課題だと思われます。
天然甘味料
かえで糖(メープルシュガー)
メープルシュガーは管理人が自宅で使っている甘味料です。
原産地をよく確かめて、カナダ産を使った方がいいです。
蔗糖系
糖アルコール甘味料(還元糖)
チューインガムなど食品工業に。
ビタミンCの原料にも。
あとはもっぱら医療用の甘味料です。
ソルビトール
キシリトール
マンニトール
マルチトール
エリスリトール
ガラクトオリゴ系
乳糖オリゴ糖
大豆オリゴ糖
木質系
キシロース
炭水化物以外の非糖質甘味料
天然
ステビア(ステビオシド)
キク科のステビアという植物から抽出した甘味料で、甘さは砂糖の約200倍。カロリーは砂糖の100分の1。加熱しても甘さは安定。煮物にも使えるが、ややくどさのある甘味なので使い方に注意が必要です。
人工甘味料
昔からある「サッカリン」の他、アスパルテーム系など様々な人工甘味料があります。管理人がここでおすすめできる商品はありません。