柳刃包丁
ステン系(錆びに強い)
銀三包丁
紫電(正夫包丁)桐箱セット
刃材が銀三鋼を使用。堺の鍛冶士 山塚尚剛氏が鍛え上げ、研ぎ士 土佐廣次が研ぎ上げています。
日立金属が製造する和鋼の代名詞「安来鋼」
そのスレンレスバージョンが「銀」のシリーズです。
完全なステンレス(クロム13~15。銀三の場合)なので錆とは無縁。
和スレンレスの基準と言ってもいい「銀」は信頼性抜群です。 銀には1、3、5などありますが、最も包丁に向くのは銀3です。
銀3にモリブデンを添加したのが世界で名高い「ATS34」
さらにATS34をベースに、炭素などを増加させ、 粉末冶金で製造したのが今評判の高い「ZDP189」です。
銀3とV金10は競合する部分が多いのですが、 銀3が優れているのは「研ぎやすさ」ではないでしょうか。
合わせる砥石にもよりますけども、非常に刃付けが楽です。
(そのぶん硬度はV金を下回りますが)
本焼ですと銀3の弱点はほぼカバーされるので、大変良いものではないでしょうか。
V金10号包丁
V鋼シリーズを作っている武生特殊鋼材(株)の【V金】の紹介です。
炭素系のクロム添加鋼V1やV2、V2Cとは別に、硬くて粘りがあり不純物の少い良質の原料を最高の精錬技術で作り上げた武生の特殊ステンレス鋼が所謂『V金』でして、「V金1~2~3~5~7~8~10」「V金特」「金2」などがあり、セミステンにV銀1~3があります。
硬く、しかもねばりが強く、磨耗しにくい、しかも錆びない。
およそ考えられる庖丁の理想系に限りなく近い優れものって事ですね。
和庖丁にはコバルトを添加したV金10号が向いていると思います。 靱り強さに加え、長切れし、しかも研ぎやすい。 これで錆びないってんだから炭素系の本焼が霞んでしまうのも仕方がないのかも知れません。 こうした極めて特殊な精鋼技術で作られた鋼はこれに限らず非常に「本焼」にするのが難しいものです。生半な腕では打てないからです。
酔心イノックス庖丁
酢のたっぷり混ざった舎利に庖丁を入れなければならない鮨職人が特にそうでしょうが、錆びない本焼には需要が高いものです。
昔はクロムを入れたステンしかなかったのですが、最近は各メーカが競って新素材を開発して売り出しております。
サビに強いおすすめ包丁は、スェーデンINOX鋼の良質なものを選び、本焼に仕立てた酔心INOX本焼。
HRCは61程度で、研ぎやすく粘りもあります。 堺の研ぎ師が鋭い刃をつけての仕上げです。これをベースとして手入れをすると良いでしょう。
柄の構造も細やかな配慮が伺えて、本職向けになっています。酔心さんの包丁は全体的に安定感があるのではないでしょうか。