冬の野菜
ネギ
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サツマイモ
サツマイモ(薩摩芋)
ヒルガオ科サツマイモ属
主に食用にする塊根部分を指している名称。
別名:甘藷/甘薯(かんしょ)、唐芋(からいも、とういも)、琉球薯(りゅうきゅういも) 和食の業界では丸十(まるじゅう)※薩摩藩の紋
薩摩芋の旬は冬。
収穫期は主に秋ですが、美味しいのは冬から春先までになります。
一ヶ月弱貯蔵乾燥させることで甘味が強くなり旨味が増します。
原産地はアメリカ大陸で、アジアに伝わったのは、コロンブス・ヨーロッパルートと海路で南太平洋を経由して伝播したという二つの説があります。
日本には中国から沖縄宮古島に(唐芋)、宮古から南薩摩(山川村の漁師)(琉球芋)に、江戸の将軍吉宗(青木昆陽)(薩摩芋)に。日本で広まったのは16~18世紀頃だったわけです。
野菜の中で最も甘く(糖質が多い)、育てやすいことから、飢饉の時などの「救荒食物」として重宝された歴史があります。
しかしエネルギー源としてはコメやムギの三割程度の効率しかなく、むしろ命を支えたのは「食物繊維」やビタミン類やポルフェノールなどの健康維持成分だったと思われます。
茎や葉に含まれる健康成分も注目されいて、葉はある種の薬にもなるようです。
サツマイモの種類
戦時中(昭和17年)に育成された【農林1号】という品種が長らく主流でしたが、昭和40年頃からは【高系14号】と【紅赤】が主流になりました。21世紀に入ってからは【安納紅】が大変な人気になっています。
肉の色は、黄色、紫色、橙色、白系などがあり品種によって色に微妙な濃淡があります。
紅赤(べにあか)/ 金時(きんとき)
別名の【金時】で呼ばれることが多いようです。
埼玉県で見つかった品種で、かつては関東方面で栽培されるサツマイモの代表的な品種でした。
「きんとん」にするのに最適なサツマイモであり、粘りがあるのに粉質の紅赤は、今でも和食や和菓子の職人にとって欠かせないものです。
鳴門金時(なるときんとき)
「金時」という名が付いてますが、品種は「高系14号」です。
西日本の主要品種で、特に四国・九州での生産が多いサツマイモ。肉は淡い黄色、皮は紅色で、お菓子の原料などに最適な品種。
高系14号には他に、「五郎島金時」「土佐紅」「紅さつま」「紅ことぶき」などがあります。
ベニアズマ
これも関東で人気の品種であり、千葉や茨城産が多く出回ります。もっともよく見るサツマイモであり、代表品種と言えます。
品質に安定感があり、煮込んでも崩れにくいなど、煮物用、菓子用、そして焼き芋用と、万能性も人気の理由になっているのでしょう。
安納芋
この芋は「安納紅」という種名で、原種は「インドネシア・スマトラ島」の芋。その芋を種子島の農林センターが改良したものです。終戦後のことになります。
その苗で育てた芋が美味しく、安納地区で栽培が始まったことから「安納いも」と呼ばれるようになったそうです。皮色が異なる「安納こがね」と並んで、その甘さが評判に。
今のようなブームになったきっかけは、2004年頃にある食品メーカーが甘蜜のような芋として売り出し、それが大ヒットした事があるでしょう。2005年頃から様々なメディアで取り上げられるようになり、現在に至っているわけです。
うぐいす菜/小松菜
小松菜(別名:、鶯菜、雪菜、冬菜)は、ツケナの一種でアブラナ科の冬野菜です。
京都方面では「うぐいす菜」と呼ばれます。
地方品種が多く、福島の「信夫菜」、新潟の「大崎菜」など。
おせちの雑煮に使う青菜の代表格と言えましょう。
ほうれん草と酷似していますが、れん草よりも栄養が多く(カロテンなどは2倍)、れん草よりもアクがありません。非常に扱いやすい緑黄色野菜です。
小松川の人「椀屋久兵衛」がこのツケナを改良したことから、小松菜と呼ばれるようになったと云われます。
百合根(ユリネ)
ユリネ(百合根):ユリ科ユリ属
ユリ属には食用になるものが4種ほどあり、そのうち「鬼ユリ」と「小鬼ユリ」の根(地下茎の一種で鱗片が重なった球根のようなもの)が栽培されています。
東アジア一帯に自生し、昔から滋養強壮の薬として利用されてきました。日本での栽培は江戸の中期から。
栄養成分はじゃが芋に近く、ミネラルが豊富です。
食物繊維や葉酸も多いですね。
ほこほこしたでんぷん質の食感が特徴。
茶碗蒸し、汁の実、揚げ物、丸ごと含め煮など。
水洗いしてオガクズを落とし、裏側の根をえぐりとって鱗片を1枚ずつ剥がし、下茹でして使います。
保存する場合はオガクズのまま冷蔵して約2ヶ月は大丈夫。洗ったものは約1週間程度。
冷凍する場合は蒸すなど火を入れてから保存用の袋に入れて冷凍します。
レンコン
レンコン(蓮根)は、スイレン科の「ハス(蓮)」の地下茎です。食用にするのは東アジアでも日本と大陸の一部地域のみ。
泥付きで、太く真っ直ぐで、孔の内側が変色してないものが良品。本来の色は白ではなく、淡い褐色・黄色系。真っ白いものは漂白してあるケースが多いので注意。
でんぷんにガードされたビタミンCは、加熱損失が少ないので、よく火を通す料理でも栄養が残ります。逆に、生食に近い状態の料理も可能です。なので最小限の加熱でも。つまり「両方」の料理を楽しめる食材です。ポルフェノールや食物繊維も豊富で、ネバネバにはムチンも。
アクが強く変色しやすいが、アクの成分は主にポルフェノール。無理に真っ白にしようとしないで、せいぜい酢水程度でアク抜きを。本来の「蓮根煮物」は真っ黒いのが自然なのです。
穴から向こうを「見通せる」ということで、縁起物としておせち料理にも欠かせません。
クワイ
クワイ(慈姑):オモダカ科オモダカ属
原産地は中国で、日本では秀吉の時代に京都で栽培が始まった。京都の伝統野菜でもあり、名産地は南山城。
中華料理で日常的に使われる水煮缶詰のクワイは、「オオグロクワイ」であり本種とは別のものです。
里芋類と同様塊茎を食すものですが、上部に芽が突き出しているのが特徴で、ここから「芽出たい」との語呂で正月におせち料理に欠かせない野菜になりました。
おせちに使用する場合は必ず芽を残して皮を剥き、酢水や米のとぎ汁などで下茹でしてから、煮物、揚げ物、鍋物などにします。
かぶ
かぶ(蕪):アブラナ科アブラナ属
関西では「かぶら」と呼ぶことが多い。
旬は冬から春。
カブの原産地はアフガニスタンとヨーロッパ沿岸部で、世界中で食べられている野菜です。非常に種類が多く、日本国内でも北海道から九州まで多くの地方品種が存在ます。
国内の品種は大別して「洋種系カブ」と「和種系カブ」に分かれ、東日本では洋種系が、西日本では和種系が栽培されることが多いようです。これは洋種系が寒冷地型(長カブ等)で、和種が温暖地型(聖護院など)だからです。
和種(在来種)長カブ改良種・関東東北系
「大・中・小」でも区分し、栽培量や流通量は「中カブ」が多く、使いやすい事から最近は「小カブ」が人気のようです。小かぶは洋種と和種の中間型がメインです。
大きくて栄養豊富な「カブの葉」も重要な野菜であり、主に葉を食べるための専用品種もあり、これを【カブナ(蕪菜)】と言います。カブナの代表が「野沢菜」や「すぐき菜」です。
赤色系などの「色カブ」もあって、飛騨地方や各地で栽培されますが、これらはほとんど漬物に加工されます。
大カブ
聖護院蕪
京都名物で日本最大の蕪。
「千枚漬け」の原料です。
煮崩れしにくい柔らかな肉質であり、煮物に向くほか「かぶら蒸し」にも使います。
中カブ
中蕪とは小蕪と大蕪の中間サイズの蕪のことを言います。重さは約800g~1Kg程度あり色は白と赤とあります。蕪には在来品種(在来品種とはその地域で土着した種のことをいいます。)のものが多いです。山形県の伝統野菜『温海蕪(あつみかぶ)』や大阪府の伝統野菜『天王寺蕪』など様々な品種の蕪が存在します。
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中蕪(ちゅうかぶ)
中蕪(ちゅうかぶ)【色:赤】
天王寺蕪
略称【天カブ】
和種系カブの祖先ともいえる古い蕪。
大阪で完成した為この名前があります。
肉も葉も柔らかで、煮物に向いています。
小カブ
小蕪(こかぶ)
あやめ雪蕪(あやめゆきかぶ)
小蕪(こかぶ)【色:赤】
ミニ蕪
芽蕪とは主に間引き後に収穫された小さな蕪のことをいいます。(間引きとは密着した苗を少数だけ残して残りの苗を採取してしまうことをいいます。)間引きの際に収穫される蕪です。大きさは手のひらに幾つもの芽蕪が収まるぐらいの大変小さなサイズの蕪です。間引き後の蕪のため食べることができ、大きさから汁物の具材や飾り用としても使用されたりします。
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輸入蕪
黄蕪は日本ではまだあまり知られていません。比較的ヨーロッパなどの海外で使用されていることが多い蕪です。名前の通り外皮は黄色ですが生の状態の果肉は白色をしています。加熱することで果肉はほんのりとした黄色に変化し肉質は柔らかくなります。また、比較的肉質がしっかりしている蕪のため加熱による煮崩れが起こしにくく煮物やスープ、炒めものなどの料理に向いています。
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ルタバカ
ルタバガは西洋蕪やスウェーデン蕪と呼ばれるヨーロッパ野菜です。白皮で白い肉質、黄皮で白い肉質、黄皮で黄色の肉質のものがあり、見た目は大根や蕪に似ています。ジャガイモのような風味と濃厚な味、ほのかな甘み、ホクホクした食感です。身がしっかりとしているため煮崩れを起こしにくくポトフやグランタンなどの加熱料理に向いています。
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ダイコン
大根(ダイコン 英:daikon radish)はアブラナ科の野菜で、日本の代表的野菜になります。おそらく和食で最も使用頻度が高い野菜でしょう。
一般的には夏大根は辛く、冬大根は甘いとされます。
ダイコンは主に根を食べます。
(正確には根と胚軸部分。根とは地下に埋没した部分を指し、地表に出る青い部分は胚軸)
繊維が比較的はっきりしているのが大根の特徴です。
大根は生食のサラダ用などの場合、繊維を切断するように庖丁する「横切り」が適しています。
(例外は刺身のケン。これは繊維にそった「縦切り」がよいです。つまり繊切りですね。繊維が残りシャキっとなる「縦けん」です)
葉に近いクビの部分は汁が多くて甘く、先端部分は汁が少なくて辛いので、サラダには首の部分、オロシには先端部分が向いています。
大根おろしは直線的に荒くおろす程辛くなり(薬味むき)、円形に優しくおろすと甘くなります(天ぷらむき)
皮をつけておろすと汁気が減ります。
辛みの元はイソチオシアネートで揮発性ですので時間経過で辛みは飛んでしまいます。
おろし生姜と同じくレモン汁をかけておくと褐色に変色するのを遅らせることが出来ます。
また、タコやイカを柔らかくしてしまう酵素もありますので、煮合わせると互いに味を吸う相乗効果もあります。
ぬか漬けにしますとビタミンB類が増加します。
秋収穫の野菜として越冬用に重視されまして、保存のきく漬物に加工される事が非常に多く、沢庵漬け・べったら漬け、守口漬け、それに秋田のいぶり漬け(いぶりがっこ)なんかは有名です。
切ったり(切り干し大根)、四つ割りにしたり(割り干し大根)、蒸気で蒸し上げたり(蒸し干し大根)、茹でたり(ゆで干し大根)などの干した乾物は、不溶性繊維が増加します。
干し大根の極上は「寒干し大根」ですね。干し大根は主に宮重や練馬系を使う事が多いようです。
しかし栄養が豊富なのは普段は捨ててしまう「葉」なんです。ビタミンやミネラルが集中してますし、カロチンは葉にしかありません。
葉を干して保存食にしたものを「干葉」(ひば)と言いますが、割り干し同様最近はみかけなくなりました。両方とも抜群の健康維持食品なんですが。
ちなみに春の七草「すずしろ」は、白上がり系の「山田ねずみ大根」などの葉です。
青味大根
聖護院だいこん
煮崩れしないので、おでん、ふろふきに
源助大根
色だいこん
日本の大根は「アジア群→華南群」がルーツとされ、国内で独自に発達してきましたが、1970年代以降は殆どが青首大根になっています。四十日にしろ青首にしろ、どちらにしても外側も内部も真っ白。
これらが【日本大根】で、その種類は100もあると云われます(殆どは青首(宮重種)
関東の「三浦大根」「亀戸大根」、京都の「聖護院大根」、岐阜の「守口大根」(ほとんど加工用)、加賀の「源助大根」、鹿児島の「桜島大根」などがよく知られます。専用種の「カイワレ大根」もありますね。
様々な色(赤、黒、緑、紫など)の大根は、ヨーロッパ群かアジア群(華北群)になります。 内部まで色のある(例えば肉が赤色の”紅心”や緑色の”青首”など)は【中国大根】(華北群)
外側がカラフルカラーで、中身が白いものはヨーロッパ群で、スペインの「ラウンドブラック」(黒だいこん)が有名です。これらが【ヨーロッパ大根】
赤系の廿日だいこん(ラデッシュ)もヨーロッパ大根になります。
廿日だいこんの白が「ミニ大根」
(ミニ大根は他の種にもあります)
様々な種類を交配させた色大根もあり、たとえばドイツ系と華北系をかけ合わせたのが「レディーサラダ」です。
赤系だいこん
黒系だいこん
青系だいこん
辛味だいこん
「しぼり」とか「ねずみ」とか呼ばれることもある【辛味ダイコン】。ネズミとはそのズングリした姿形からついた名。
肉質はややでんぷん質ですが、緻密な身であり煮炊きもできます。しかし辛味が強いのでもっぱら「おろし」用になります。
おろしても水分がでにくい為、蕎麦ツユが薄まらず、薬味として重宝されます。
わさび大根
【ホースラディッシュ】(horseradish)は、別名「西洋わさび」、「わさび大根」ともいます。
日本では使う粉ワサビの大半はこれが主原料なのですが、西洋料理でもソースにしたり、おろして生ガキ、魚料理、肉料理の薬味にすることもあります。
料理業界での呼び方は「レフォール」で、これはフランス名です。
【輸入】レフォール※別称:ホースラディッシュ、山葵大根(わさびだいこん)
割干だいこん
最後に、これは生鮮野菜ではなく乾燥品になりますけども、個人的に非常におすすめの品物です。大根の美味しい時期(収穫期)に、四つ割りにして干した「干し大根」
「切り干し大根」はよく見かけますが、最近はこの「割干し」をあまり見かけなくなりました。
これほど優れた、【”本当の”栄養食品】はめったになく、管理人はこれを一年中欠かしません。
添加物だらけの「たくあん」などを食べるくらいなら、こちらを食べた方がはるかにマシです。
戻して醤油や酢をかけるだけで、ヘタな沢庵よりも美味しいからです。もちろん食物繊維たっぷり。
乾燥品ですので戻すと膨張しますから、値段的に割安だし、味噌汁の具などにも使えて便利です。
冷蔵庫で保存し、戻しすぎない(夏は1時間、冬場は2時間くらい)のがコツです。
冬の果物
りんご
リンゴ(林檎):バラ科リンゴ属
旬は晩秋から冬(早生種は夏から出る)
野生のリンゴはヨーロッパ、北アメリカ、東アジアに存在。ヨーロッパでは四千年から栽培されいたと云います。日本には中国経由で鎌倉時代に渡来するも、今のようなリンゴが導入されたのは明治四年(1871年)の事で、アメリカから導入した70余の品種が始まりです。
「林檎」という漢字には、「鳥が好んで集まる木」というような意味があると云われます。
数千年をかけて改良されてきたリンゴは品種が数万種もあるといいますが、日本では明治初期に導入されたアメリカの品種「紅玉」と「国光」が主流となり、その後大正時代頃に今の日本独自のリンゴの原型(親)になる【デリシャス】【ゴールデンデリシャス】が導入されました。(ウエストバージニアが原産地で世界で1番生産量が多い品種)
「世界一」「津軽」「陽光」「金星」「王林」、そして国内リンゴ生産量の過半数を占めている「ふじ」もデリシャス系を親にして改良された品種です。
ふじ
1939年に果樹研究所で誕生。
親は国光とデリシャス。
食味に優れ、極めて日持ちが良いため、生産量が一番多い人気のリンゴ種です。
(日本で生産されるリンゴの半数強を占める)
「サンふじ」は日光をたっぷり浴びさせて育て甘味を強くした無袋のふじ。
つがる(津軽)
1930年青森県で誕生。
ゴールデンデリシャスが母で父は不明。
「ふじ」に次ぐ人気種で、肉質はやや硬めで締まっている。酸味が少なく甘味と果汁は多い。
一般的に大果であり(300g以上)、紅色の果皮に赤い縦縞模様が入る。
王林(おうりん)
福島県の人が育成し1952年に王林と命名された。親はゴールデンデリシャスと印度。
特有の香りがあり、甘味と果汁も多くて食味が優れているため人気品種となった。
無袋で栽培されたサビ入りの特別栽培種は特に評価が高い。青森産は晩秋の11月頃が最盛期。
みかん
ミカン(蜜柑)は、「ミカン科」に属するカンキツ(柑橘)のうち、果皮の剥きやすい1群の種類を指します。
この中でみかん独特の橙色に発色する仲間が「タンゼリン」です。
(いわゆるオレンジ色はオレンジの特徴であり、オレンジ色を薄めたような紅橙色がタンゼリンの特徴)
【柑橘】とは、カンキツ属・キンカン属・カラタチ属などの総称になります。
カラタチ属は主に「台木」として利用され、果実はカラタチ酒や「枳実」(乾燥生薬)に使われる程度です。
一般的にはミカンが柑橘の代表であり、ミカンと言えば「冬ミカン」、その代表品種が温州ミカン。なので「ミカン=温州みかん」という事になっております。
もちろん様々な品種があるのですが、やはり馴染み深いのは温州みかんですね。
原産地はインドのアッサム地方。
現在世界でもっとも多量に生産されているのは「スイートオレンジ」ですが、日本に限って言えば「温州みかん」が群を抜いて多くなっています。
オレンジに比べればやや淡白ですが、そこが日本人に好まれる面でもあるのでしょう。「食べやすい」という特徴と合わせて、国内では不動の人気を保ち続けています。旬は10~3月。
「栄養」
ビタミンCが非常に多く、2~3個で1日の必要量を満たすほど。また、β-クリプトキサンチンが非常に多く含まれ、併せて高い抗酸化作用が期待できます。
白い筋の部分には「ビタミンP」があり、これは血流を良くする健康成分ですので出来るだけ食べた方が良いでしょう。
ヘタの切り口が小さく、滑らかで、鮮やかな濃い色、そして実と皮が密着しているもの(押すとブカブカしてる品は良くない)、こうしたのが良いミカンの特徴です。
ミカン(カンキツ属・タンゼリンとその仲間)
温州みかん
有田みかん
極早生品種
10月中旬頃に収穫される品種。じょうのう(内皮)は極めて薄く食べやすい。糖度は10~12度で、フレッシュ酸味が特徴。早生品種
11月上旬からに収穫される品種。正直言って、このみかんが一番美味しい。内皮はとろけるように薄く、酸味、、甘み、食感、コクのバランスがとても素晴らしい。中生品種 晩成品種
【紀伊国屋文左衛門本舗】
12 月前半から年明けにかけて収穫される品種。しっかりと味がのって、みかん本来の甘み、酸味、深みがあり、コクのある味。内皮については、早生系に比べやや 厚くなるが、温暖な気候と、栽培技術の高さで食べやすい果実に。比較的日持ちも良いのでお正月用として最適。「こたつでみかん」
伊予かん
伊予かんは、温州みかんに次いで生産量が多いミカンです。ミカンとオレンジ、両方の性質を併せ持った柑橘。
見た目はオレンジに近く皮が厚い。しかし皮はとても剥きやすく、実は柔からで美味しい。
山口県が発祥ですが、愛媛県で発展し主産地も愛媛です。なので当初の「穴門ミカン」の呼び名ではなく現在のイヨカンが主流。
旬は1月~4月。
せとか
せとか(瀬戸香)は、タンゴール類の「清見」と「アンコール」を掛け合せ、「マーコット」と交配させ糖度を上げた柑橘。
デコポン
デコポンとは、タンゴール「清見」、ポンカン「中野3号」を交配させた【不知火(しらぬひ)】という柑橘のうち、一定の基準(糖度13度以上、酸度1度以下)をクリアしたものを指します。※デコポンの名称は熊本県の生産団体が所有する登録商標です。
キンカン
キンカン(金柑)は、香酸柑橘類のグループに含みますが、他の柑橘類とは分類されており、「キンカン属」として扱われます。
キンカンの種類は観賞用も含め6種類ほどありますが、食用としては果皮が甘く酸味の少ない【寧波(ニンポウ)キンカン】が主流になっていて、これは鹿児島県の名産です。
品種としては「スウィートシュガー」(極甘種)と「ぷちまる」(種なし)が主体。
生食の他、切り込みを入れて種を除き、砂糖漬けやジャム・マーマレードにします。また、豚肉・鶏肉の煮込みに加えると肉が柔らかくなり程よい香りも加味されます。
キンカンは昔から「風邪に良い」とされ、とくに「のど風邪」に効果あると伝わります。レモンに匹敵するビタミンCやB、E、A、それにフラボノイドのヘスペリジン(ビタミンP)も含む優れた果実です。