楽焼
昔から茶の湯の名陶として「一楽二萩三唐津」といわれる。
それほど楽の茶碗は茶人垂涎の逸品である。
楽焼(らくやき)は茶道の千家ゆかりの千家十職である『樂吉左衛門』(樂家)が作る楽焼茶碗だというイメージが強い。 京焼の一種であると思われがち。
確かに京焼の一種ではあるが、広い意味ではろくろを使わないでヘラと手で「手捏ね(てづくね)」して形を作り、低温焼成した軟質施釉陶器の手法をとるやきものを【楽焼】と呼ぶ。このような方法で焼かれた陶磁器全体を指すものである。したがって、有名なのは京都の玉水焼や金沢の大樋焼ではあるが、当然ながら全国各地に楽焼は存在する。
造形はやはり茶人好みの歪んで厚みのある形状をとる。