人造砥石
砥石は粒子の大きさで選びます。
いわゆる「目の細かい」ものが粒子が小さくなっており、反対に目の荒いものは粒子が大きくなっています。
人造の砥石は目の荒い方から「荒砥」「中砥」「仕上げ砥」に別れており、さらに番号が振ってあります。番号が大きな物ほど目が細かく、数万という超精密な鏡面砥石まであります。
詳細は 砥石の基本
新品の砥石はシャープな角を別の砥石などで擦って角を丸くし、たわしで洗ったあと水に浸けてから使うようにしましょう。
研ぐ時に一番大切なのは「砥石の安定」です。グラグラすると危険ですし、包丁もうまく研げませんので、雑巾などを敷いてしっかり固定します。使用していると砥石中央が凹んできますので、面直しなどを使って常に面を水平にしておきます。
荒砥石
荒砥を日常的に使うのはやめましょう。
本刃付けなら2~3週間に一度、あとは刃欠けの修正などに。刃付けの場合でも裏は荒砥で押さないほうがよいです。
※砥石の質、包丁鋼材の質、相性、これらの要素で千差万別になります。 したがって一概には言えませんが、(例えばステンや硬質鋼は頻度が上がる)
高級和包丁のデリケートな刃先をモロモロにしてしまうのは確かです。よく考えて使うようにしたいものですね。
荒砥を使った場合必ず上砥を使い、荒砥で付いた研削跡を消しましょう。そして刃先のケバも絶対に落としてから調理作業を。仕上砥まで進む暇がない時でも、中砥はあてるようにして下さい。
面直し
中砥石
本職、素人に関係なく、もっともよく使うのが中砥。
普段使いならば、これだけで充分です。
その中砥の性質にもよりますが、600~1200が実用的です。硬質鋼やステン系なら400~1000、もしくはダイヤ。一般的には800と1000があれば事足ります。
粒度は同じでもメーカーによってかなりの違いがあります。また、同じメーカーの石でさえも種類によって研ぎ感が違います。研磨剤の調合で作る合成砥ですから違って当たり前なのです。 (調合が違ってきますで)
結局、良い砥石とは「自分の好みに合う」ものになります。誰にとっても良いという性質ではありません。
(研ぎが上達すればするほどそうなります)
見極めるカンを養うには経験を深める以外にないと思います。 色々と試しながら、自分にピタリの砥石を見つけ出して下さい。
下はプロ用の三丁掛(205mm×75mm×50mm)砥石です。
(一丁掛は205mm×50mm×25mm。幅と厚みが違う)
九寸を超える刺身包丁も楽に研ぐことができます。
これは水平接地面積が広いからですが、この事は石の形が歪になりますと逆に包丁を歪めてしまうマイナス面も大きくなるということにもなります。なので面直しなどを使ってまめに水平を保つようにして使いましょう。
仕上げ砥石
包丁と砥石には「相性」があり、良い包丁ほど砥石を選ぶ特徴があります。相性が悪いと刃線の微調整が定まらず、場合によってはカエリが残ってしまうこともあります。これによって「研いだのに切れない」という結果になることもあります。反対に裏を押しすぎて丸刃にし、切れなくなることもあります。
こうした難しさを、ある程度カバーしてくれるのが最新の人造仕上げ砥石です。
考え抜かれて製造されており、その面での使い勝手は天然砥石を遥かに越えています。
最大の利点は「天然のように包丁に合わせて選ぶ必要がない」というところです。だいたいの包丁はカバーできるように作られています。
ダイヤモンド砥石
ダイヤモンド砥石は、ステンレス包丁など超硬質の包丁研ぎに便利です。
(もちろんそれ以外の刃物も研げます)
刃が手早くつき、砥石のへたりも殆どありませんので面直し不要。
厚みがなく、場所をとらないので扱いやすい。
水につけておく必要もない。
これらの特徴が忙しい職場で威力を発揮してくれます。
特殊樹脂にダイヤモンド粉末を混ぜて焼いた「焼成、焼結ダイヤ」、金属板にダイヤモンド粉末を塗布した「電着ダイヤ」の2種類。
磨きで選ぶなら焼結、研削で選ぶなら電着です。
簡単に言えば鋼系の高級包丁には研磨の焼結、ステンや特殊硬質鋼などには電着。
特にセラミック包丁はダイヤ以外では研げません。
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