気仙沼のふかひれ
中国では昔から日本産の乾貨が高級品扱いされています。
乾貨(カンフオ)とは干物のことです。
俗に【鮑産翅当肝】と言いまして、干しアワビ、干しナマコ、ふかひれ、浮袋(又は燕の巣)が珍味中の珍味とされています。いずれも香港あたりでは凄いお値段。
なかでも「魚翅」(鱶鰭/ふかひれ)の高級ぶりは広く知られるところです。そのフカヒレの中でも「上等」とされるのが気仙沼産。
気仙沼の、「ジンベイかウバザメの天九翅」ならば、いったいナンボ($)するやら・・・^^; (香港あたりのサイトでご確認)
日本(日本漁船)で漁獲されたサメは、その大半が気仙沼に水揚げされます。ここで加工されたものが『気仙沼のふかひれ』になります。サメの種類は7割以上「よしきり」で、あとは「ねずみ」などです。
ネズミザメは別名「もうかざめ」とも呼ばれ、これのホシ(心臓)は気仙沼の隠れた珍味。サメの旬は夏場ですので(水揚げは周年ですが)、ガラスの向付に涼しげに盛り、キリリとした酢味噌などで頂きます。
フカヒレの醍醐味は「食感」
そしてスープです。
若い頃香港で仕入れた「噂話」によれば、富豪の美食家がツバメの巣やフカヒレを心底愉しむため、歯を総入れ歯にしてしまったとか。
食べるときに「歯無し状態」になり、ふるふる感を際立たせる為なんでしょうが、「中国ならありえる話だ」なんて思いました。
「高級料理を食べる高貴な者は、口を動かさない(噛まない)」ですな(笑)
ふかひれラーメン
本場では姿煮が定番ですけども、考えるまでもなく「ラーメン」との相性も非常に良いですね。気仙沼には「ふかひれ丼」などがありますが、ごはんよりは「めん」が合うわけです。ラメーンは「麺付きのスープ」ですから。
ふかひれ姿煮
フカヒレそのものを楽しみたい方はこちら。
フカヒレの現状
サメはアンモニアを生成するため敬遠されがちですが、昔から食材として親しまれています。近年では食べるためというよりも「薬」としての利用が主体になっていました。
時代とともに、求める成分は次のように変遷
(肝油)ビタミンA→(肝油)スクワレン→(軟骨)コンドロイチン
しかしながら、最近アメリカがサメ漁を厳しく規制したのを皮切りに、捕獲に対し世界から厳しい目が向けられています。
乱獲は事実であり、放置していれば確かに絶滅の可能性を否定はできないでしょう。
人類が適性な人口を遥かにオーバーしている現在、これは仕方のないことかも知れません。
このような背景もあり、フカヒレも徐々にゼラチンなどを原料にした「人工ふかひれ」に変わりつつあります。
魚山人さん、おはようございます。
記事を読んでたまらなくなり、20日に片道三時間かけて気仙沼へ行っちゃいました。
モウカのホシ、大小四個で約500gゲット!
プリプリした食感で最高でした。
商品説明によると焼き肉のように焼いても美味しい!とのことで試したところ、久々にビックリ!
残った分は、おままごと的ヅケ風にして楽しみたいと思います。売り場のお兄さんの話では、最近はレバ刺の代用として購入するお客さんが増えているそうです。
素晴らしい記事をありがとうございました。
ブログがんばって下さい!
Posted by スズメ貝 at 2013年03月22日
こんちはスズメ貝さん。
レバ刺の代用ですか。
Posted by 魚山人 at 2013年03月22日
そういう考えもあるんですなぁ。
参考になりましたm(_ _)m